オープンソース・ソフト Drupal を使った Web サイトの構築・サポート・研修

今日の「フラッシュ デジタル変革」を駆動する 3 つのトレンド

今日、Acquia は Open Digital Experience Platform の立ち上げを発表した。これは、Web サイトとアプリケーションを構築し、多数のチャネルで横断的にデータ駆動型のマーケティング キャンペーンを実行できる単一のプラットフォームだ。その立ち上げの一環として、僕は COVID-19(新型コロナウィルス)がデジタル変革に与える影響に関する記事を Digiday に寄稿した。多くの企業は事業をオンラインへと迅速に移行するプレッシャーにさらされているわけだが、彼らが今、進めている変化は今後数年間でプラスの影響を与える可能性がある。(その詳細を述べた)記事の全文は以下のとおり:

我々はここ数年にわたって消費者の世界における多くの部分で急速な革新を目の当たりにした。企業は一晩でポップアップ ストアを作り、新しい小売り、製品、マーケティングの着想をテストするようになったが、それと同じことがデジタルでも起こっている。COVID-19 がそれを引き起こしているのだ。企業は時間軸を圧縮したかたちで(可能な限り速く)業務を行い、新しいデジタル優先ビジネスを「ポップアップ」させる必要がある(TechCrunch はそれを「フラッシュ デジタル変革flash digital transformation)」と呼んでいる)。

以前だったら、こうした取り組みには何年もかかったし、この急速な変化の時期は多くの企業にとって確かに困難なものだった。しかし、今年の前半に企業が行った変更の多くは、これからの数年に大きなインパクトを与えることだろう。

COVID-19 のせいでデジタル戦略を導入したブランドの例としては、アメリカで最も古い小麦粉会社である King Arthur Flour が挙げられる。パンデミック(ウイルスの大規模な流行)が起きた結果、自宅でパンを焼く人が急増した。実店舗での販売にはもう頼れなくなった King Arthur Flour では、デジタル チームがオンラインでの需要を広げた。彼らは有名人がパンを焼くシリーズや他のクリエイティブで関連性の高いコンテンツを自社サイト上で新しく公開した。その結果、売上高は前年比 200% に上昇し、サイトのセッション数は 260% まで跳ね上がった。

フラッシュ変革を推進する 3 大トレンドとして以下の要素に注目し続ければ、他のブランドも同じように成功することが可能だ。

トレンド1:体験が勝ち、データのインテリジェントな使用が求められる

タクシー、Uber、Lyft のいずれを使っても A 地点から B 地点まで移動できるわけなので、根本的な部分は同じ製品だ。しかし、実際には Uber か Lyft の体験が勝つ。少なくとも僕が住んでいるボストンでは、タクシーの評判が悪いのでそうなる。

Uber と Lyft のどちらも、優れた顧客体験(カスタマー エクスペリエンス)を提供するためにテクノロジーを利用している。モバイルアプリ、メール、テキスト メッセージ、安全機能など、顧客体験のあらゆる側面がパーソナライズされているのだ。

長年にわたって、パーソナライズされた顧客体験という展望は、つかみどころがなく、(Uber や Lyft のように)大規模なエンジニアリング投資を行える企業だけが利用できるものだった。それが今日では、どんな企業でもテクノロジー駆動型の優れた顧客体験を提供できるようになっている。そうした構築を「民主化」したのがオープンソースだ。ただ、パーソナライゼーションは相変わらず難しい。それを行うには企業が顧客データを把握、理解する必要がある。それは容易な作業ではなく、オープンソースで解決できるものではない。

本当に当を得た体験は、データを使って顧客の好みや意図を理解してこそ提供できるものだ。厳しい経済状況において適切な体験を提供すれば、その企業は際立ち、切望される販売を促進するのに役立つ。

トレンド2:テクニカルマーケターの台頭

そういうわけで、マーケティング担当者は、顧客体験を促進するためのテクノロジーにより依存するようになった。20 年前なら、Web コンテンツ管理システムといえば、IT 部門が運営するスタンドアローンのアプリケーションだった。それが今日では、コンテンツ管理はマーケティング テクノロジー スタックに深く統合され、主にマーケティング部門が運営している。

意欲的な設計の Web サイトが 5 つや 6 つの(外部)システムに接続されているのは珍しいことではない。マーケティング テクノロジーの専門家であるスコット ブリンカー(Scott Brinker)によると、2020 年には 8,000 を超えるマーケティング テクノロジーのベンダーがあるという。これは 2019 年と比べて 13.6% の増加にあたる。

テクニカル マーケターなら、この業界をナビゲートして自社に最適なツールを選ぶ方法がわかる。テクニカル マーケターにとっては、顧客体験を最適化するのに必要なツールとデータソースを統合するために適切なプラットフォームを持つことが不可欠だ。そのテクニカル マーケターが台頭してきたことで、マーケティング部門と IT 部門の関係とつながりが変わった。

トレンド3:オープン性

「オープン」なテクノロジーという概念は、マーケターにとって、最近になるまで、売り込みにくいものだった。その一方で、開発者たちはオープンな API、オープンソース、オープンな接続ツールを何年も前から喜んで取り入れていた。

閉じた(クローズな)システムのせいでマーケターが「通行止め」に出くわすことが増えている。マーケティング オートメーション システムが他のデータソースとやりとりできないとなると、効果的なパーソナライゼーションを実装することは不可能になりかねない。E メール マーケティング ツールがそのシステム自体に含まれているデータからしか情報を導き出さないのなら、別の Web 分析ツールが収集したデータをみすみす逃すことになる。こうしたタイプのサイロ(孤立したシステム)の例は、従来型のマーケティング スタック全般で山ほどある。

さまざまなマーケティングツールと、そこに含まれているデータを統合する機能がないかぎり、顧客体験は各所がかみ合わず、「パーソナル」と呼ぶにはほど遠いものであり続ける。実際、調査によると、顧客の 60% は自分の求めるものを企業が予測する能力に不満を感じており、企業がパーソナライゼーションを効果的に使っていないと考えているという。この不満に対処するには「オープン性」と「テクノロジー間の相互接続性」の 2 つがマーケティングにとって「あれば便利なもの」ではなく「なくてはならないもの」になる必要がある。

復元力の新時代

企業や人々が急速に適応している様子を見てきて感服している。こういった適応は企業が存続するうえで不可欠のものだ。幸い、プレッシャーの下でなされた変化は、世界で恒久的なデジタル化がさらに進み、企業が長年、切望してきた類いのデジタル変革が実現するにつれて成功の鍵となり得る。

ドリース バイテルト