オープンソース・ソフト Drupal を使った Web サイトの構築・サポート・研修

オープンソースは不況に強いか?

無限の波を表す抽象的なイラスト

世界は今、恐ろしい時代を体験している。みんな、世界は不確かな状況にあると感じている。すなわち、世界的なパンデミックがあり、OPEC は骨抜き状態で、米国と中国の貿易戦争は激化しかねず、各国の株価は急落している。僕自身の家庭も含め、人々の生活がそうしたことの影響を受ける様子を目の当たりにするのはつらい。

オープンソースはどんな影響を受けるだろうかと尋ねてくる人がいた。世の中で起こっていることは、あまりにも「普通」から外れているので、これから起こることを正確に予期するのは難しい。今後の道筋は未知だが、事実として、オープンソースはいくつもの不況を切り抜けてきた。

不況は多くの人にとって厳しい時期を表すが、オープンソース コミュニティーは経済的な下降の間も持ちこたえる力、それどころか「成長する力」さえも持っていると僕は信じている。

まず、大きなオープンソース コミュニティーは世界中の人々から成り立っていて、彼らは集団としての進展を信じ、すばらしいものを一緒に作り上げ、互いに助け合う。オープンソース コミュニティーの駆動力は売上げ増加ではない。駆動するのは、集団としての目標であり、広い心であり、いいソフトウェアを作り上げたいという願望だ。こうした価値のおかげで、オープンソース コミュニティーは打たれ強いし、すぐに立ち直れる。

次に、経済的な下降の間、企業はコストを下げ、自分たちの運命を自ら制御し、より少ないリソースでより多くをなそうと懸命になる。オープンソースは、こうした企業が生き残り、成長する助けとなる。

オープンソースは不況でも成長し続ける

過去2回の不況 ―― インターネット(ドットコム)バブル崩壊(2000~2004)と 世界的金融不況(グレート・リセッション:2007~2009)―― のニュースとデータを振り返って、オープンソースがどうやってきたのか見てみた。

2009 年の InfoWorld 記事によると、2000~2001 年(インターネット バブル崩壊)はオープンソース ソフトウェア コミュニティーにとって最大級の成長期のひとつだそうだ。

20 年前、オープンソースは OS、データベース、ミドルウェアの領域で商用ソフトに挑戦し始めたところだった。Gartner 社によると、Linux はインターネット バブル崩壊によって企業向け市場で一気に普及したという。企業における採用が加速したのは、技術革新の速度を緩めることなしに IT の支出を削減するひとつの方法として企業がオープンソースを調べてみたからだ。

8 年前、世界的金融不況の間、僕たちは同じトレンド(傾向)を目にした。2009 年、Forrester は、より多くの企業がオープンソース ソフトウェアを検討、実装し、その利用を拡大したのを見ている。

2009 年に最も著名なパブリックな(株式公開した)オープンソース企業であった Red Hat は商用ソフトの巨人たちをしのぐ売上げを出していた。2009 年の初期、Oracle と Microsoft の収益が落ちたとき、Red Hat は売上高対前年比成長率が 11 パーセントだった。

(今だから)逸話として言えることだが、世界的金融不況のときに Acquia を立ち上げるのは怖かった。それでも、結果的に事がうまく運んだ。不景気にもかかわらず、Acquia は世界的金融不況に続く 2009 年から 2011 年に対前年比の売上高で成長を続けた。

何社か、業界歴の長い Drupal エージェンシーやコンサルティング会社(LullabotPhase2Palantir.net)にも確認してみたところ、すべて、世界的金融不況の間、成長していたとのことだった。彼らは Drupal と、不況の結果としてオープンソースが一気に加速したことがその成長の直接的な理由だとしている。繰り返しになるが、企業は、技術革新や品質を犠牲にすることなしに効率よく進むため、オープンソースに目を向けていたのだ。

オープンソースの成長と勝利が続く理由

上記からさらに 10 年たった今、オープンソースは、まだまだ商用ソフトよりも安い。それに加えて、オープンソースはさらに成長し、かつてないほどセキュアで柔軟になり、いっそう安定した。今日、オープンソースの利点は過去の不況時よりもさらに説得力があるのだ。

オープンソースへの貢献は、個人のキャリアにおいても重要なスタート台になり得る。雇用主のない開発者は、時間と才能をオープンソース コミュニティーに投資してスキルセットを広げたり、履歴書を補強したりすることがよくある。みんな、オープンソース プロジェクトに参画することで、与えることも、もらうこともできるのだ。

それは企業にも当てはまる。オープンソースへの貢献が自らの競争力につながるということを世界中の企業が理解し始めている。オープンソースに貢献し、他の人と技術革新を共有することによって企業は高潔で複合的なイノベーション サイクルに取り組むことができる。

不況を経験したい人などいない。でも、不況に入ってしまった場合、今日、僕たちを取り巻く、あらゆる不確実性を考えても、オープンソースは成長と拡大を続けるだろうし、その途上で多くの個人と企業を助けることができると僕は楽観している。

ドリース バイテルト