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Acquia、オープンなデジタル体験プラットフォームの構築に向けて Mautic を買収

Acquia、Mautic とパワーを統合

僕は今日、Acquia が Mautic を買収したと発表できることをうれしく思う。Mautic は、オープンソースのマーケティング オートメーションおよびキャンペーン管理プラットフォームだ。

僕は 20 年ほど前、すべての組織(企業)に Web サイトが必要だと確信していた。今となっては当たり前の考えだ。今日、僕は、すべての組織にとってデジタル体験プラットフォーム(DXP)が必要だと確信している。

もう、Web サイトがあるというだけでは足りない。顧客は Web サイト、メール、チャットなどを通してブランド企業とやりとりできることを期待している。また、そのインタラクションが当を得ていること、パーソナライズされていることも期待している。

Mautic を知らないという場合は Adobe の Marketo や Salesforce の Marketing Cloud に相当するものだと考えればいいだろう。そうしたソリューションと同様、Mautic はマーケティング オートメーションとキャンペーン管理の機能を提供してくれる。違いとしては、Mautic の方が使いやすく、たくさんのチャネルを横断するかたちで1対1の顧客体験に対応し、他のツールとの連携もより容易で、かかるコストもより少ないという点が挙げられる。

上の Mautic デモ動画で冒頭に出てくるフローチャート型のビジュアル キャンペーン ビルダーは僕が好きな機能のひとつだ。コンテンツ、ユーザー プロフィール、イベントとひとつの決定エンジン(decision engine)を組み合わせて、マーケターが顧客にネクストベストアクションを配信できるようにしてくれる仕組みが気に入っている。

Mautic は比較的、新しい会社だが、マーケティング オートメーションの世界であっという間にオープンソースで最大のプレーヤーになった。インストールベースは 200,000 を超える。使いやすく、柔軟で、必要な機能がすべてそろっていることもあって、ごく短期間で多数のマーケターの人気を獲得した。同社の売り上げは毎年 400% 近く増加し、顧客数は 3 倍になり、Mautic は製品の革新と顧客サービスにいくつもの賞を受けた。

Mautic を買収したことで、唯一のオープンなデジタル体験プラットフォームを提供する Acquia の製品戦略は加速することになる:

デジタル体験プラットフォームの構成ブロックと、そのなかで Mautic が Acquia の展望実現を加速することを示す図

僕たちが Mautic を好きな理由はたくさんあるが、僕のトップ 3 は次のとおり:

理由 1: 「オープン」で市場を一変させる

オープンソースはモダンなテクノロジー スタックのあらゆる構成要素を一変させるだろう。それは「変革するかどうか」ではなく「いつ変革するか」という話だ。

Drupal がオープンソースで Web コンテンツ管理を一変させたのと同じように、Mautic はマーケティング オートメーションを変革するだろうと僕たちは考えている。

Mautic によって、Acquia は、高価で、閉鎖され、停滞したマーケティング クラウドに代わり得る唯一の、オープンな、そしてオープンソースの選択肢となった。

僕は Acquia が(いわば)オープンソースへの賭け金を倍にしたことを誇らしく思うと同時にワクワクしている。オープンソースに関する僕たちの幅広い経験を生かせば、Mautic をさらに速く成長させることができるだろう。

理由 2: システム連携によって革新する

最適な顧客体験を作るため、マーケターはさまざまなデータ ソース、カスタマー テクノロジー、カスタムメイドの自社プラットフォームと連携する必要がある。ほとんどのマーケターは、単独のベンダーからひとまとまりの製品群を買って済ませるのではなく、オープンに技術革新が可能で、連携にも制限がないオープンなプラットフォームを求めるものだ。

オープンなアーキテクチャーだけが、マーケティング スタック内のあらゆるテクノロジーと接続できる。そして、数千に上るマーケティング テクノロジーとの連携を提供できるほど速く進化できるのもオープンソースの革新モデルだけだ(今日、マーケティング テクノロジー業界には 7,000 のベンダーが存在する

マーケティング プラットフォームの作成とカスタマイゼーションはおおむね開発者の担当なので、マーケティング テクノロジーはビジネス ユーザーとテクノロジー アーキテクト、両方のニーズを満たす必要がある。業界における他の企業(の製品)とは違って Mautic はマーケターと開発者のどちらにも人気がある。Acquia は Mautic で引き続き、この両方のペルソナを対象としていく。

理由 3:テクノロジー スタックとビジネス モデルが同じ

Mautic は Drupal と同じく、PHPSymfony で作られ、GNU GPL ライセンスを使用している。テクノロジー スタックが同じだとメリットもたくさんある。

デジタル エージェンシーまたは社内チームは統合されたマーケティング ソリューションを提供する必要がある。Drupal も Mautic も同じテクノロジー スタックを使うので、単独の開発者チームが両方担当することも可能だ。

また、似ているところを生かして両方のオープンソース コミュニティーが共同で作業を進めることも可能だろう。これは、そうするよう強制できるものではないが、時間がたつにつれて自然にどんな動きが出てくるか、興味深いところだろう。

話の順序としては最後になったが、僕たちのビジネス モデルも歩調がピタリとそろっている。どちらも「クラウドのなかで生まれ」、サブスクリプションとクラウドベースのサイト開設オプションを提供することによって収益を得ている。これは、必要なものにだけ対価を払えばいいということ、プロダクトの維持やメンテナンスを気にせず、プロダクトを使うことに集中できることを意味する。

Mautic が提供するいくつかの商用ソリューション:

  • Mautic のフルマネージド SaaS バージョンで高度な機能が備わっている Mautic Cloud は、オープンソースにはない。
  • Mautic には、大企業向けに Maestro と呼ばれる商用製品がある。大企業は多くの地域、領域でビジネスを展開し、それぞれの領域に専門のチームがある。Maestro を利用すると、各領域が独自の Mautic インスタンスを使いながらもキャンペーンのベストプラクティスを共有し、成功したキャンペーンを領域間で繰り返して行うことができる。これはユニークな機能で、Acquia Cloud Site Factory との相性もピッタリだ。

Mautic を試そう

Mautic を試すには、コミュニティーバージョンを自分でインストールしてみるか、Mautic Open Marketing Cloud のデモまたはサンドボックス環境をチェックしてみるといい。

まとめ

僕たちは Mautic とパワーを融合することにワクワクしている。Acquia にとっては戦略上の大きなステップになる。僕たちは共に、より多くの自由、より速い技術革新、より高い柔軟性をお客様に提供していくだろう。オープンなデジタル体験こそ、未来のあり方だ。

Mautic 買収についてはシェアしたいことがもっとたくさんある。Mautic を Acquia のソリューションにどう連携していく予定なのか。Drupal と Mautic のコミュニティーをどうつなげていくか。買収が市場に与えるインパクトはどんなものか、などなど。

こうしたトピックについては、また、そのうちにこのブログに書くつもりだ。それまでは、Mautic の創設者かつ CTO である DB ハーリー(DB Hurley)と僕が話しているこの Podcast を聞いてみるのがいいだろう。