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Acquia、AI でデータの難題を解決するため AgilOne を買収

僕はこれを発表できることにワクワクしている。Acquia は AgilOne を買収する最終的な合意書にサインした。AgilOne は主導的なカスタマー データ プラットフォーム(CDP)だ。

CDP はいくつものソースから顧客データを取得し、そこから不要なものを取り除き、単一の顧客プロファイルにへとまとめあげる。そうすると、マーケティングおよび業務システムは、そのまとめられたプロファイルを利用して顧客体験を改善できる。

僕はこの 1 年間、CDP 業界に注目し続け、12 社ほどの CDP ベンダーと話をした。CDP はあらゆる組織(企業)に必要だと僕は思う(しかし、ほとんどの組織はそれを認識していない)。

なぜ AgilOne なのか

独立系の調査会社 The CDP Institute によると、CDP は急速に成長しているソフトウェア カテゴリーの一部で、2019 年には売り上げ 10 億ドルを超えることが見込まれている。CDP 市場は比較的新しく、規模は小さいが、今日の市場には溢れるほどの CDP が存在する。

僕たちが AgilOne を特に気に入った理由のひとつは、彼らが持つ機械学習能力だ。それを使えば、僕たちのカスタマーは競争上の優位性を得ることになる。AgilOne は顧客をインテリジェントにセグメント化して(たとえば、ある顧客が何かを購入しそうなときなど)行動を予測する機械学習モデルに対応している。これを利用してネクストベスト アクション モデルの作成と最適化を行えば、1対1のベースで顧客へのオファーやメッセージを最適化できる。

たとえば、ワークアウト(フィットネス系)アパレルでいちばんポピュラーなブランドのひとつである lululemon は、店舗内イベント、Web サイト上のインタラクション、商取引のやりとり、E メール マーケティングなどまで含めたオンラインとオフラインのさまざまな顧客体験から横断的にデータを収集している。それらのシステムすべてを連携してひとつの顧客データ プロファイルにまとめるのを手伝ったのが AgilOne だ。ひとつにまとめることで、それまで孤立化していた大量のデータが解放された。lululemon は、顧客の行動を理解すると、AgilOne の機械学習能力を利用し、各地のイベントへの顧客参加率を 25% 高め、デジタル マーケティング キャンペーンによって収益を 10~15% 上げ、サイト訪問者を 50% 増やした。

もうひとつの例は、ハイエンド スーツケース メーカーの TUMI だ。TUMI は、アウトバウンド マーケティング(E メール、プッシュ通知、1 対 1 のチャットなど)をパーソナライズし、デジタル広告戦略をより洗練させ、顧客体験とサービスを改善するため、AgilOne と AI に目を向けた。その結果はどうなったか?2017 年に TUMI が送信したメールは(それ以前よりも)4,000 万通も少なかったのに、メールからの売上げは増加したのだ。AgilOne を利用するまで、TUMI の eコマース収益は減少していたが、AgilOne を実装したところ、収益は 6 倍に増えた。

顧客体験を根本的に改善する

顧客体験が素晴らしいことは、これまでよりもいっそう重要になっている - 競合たちを互いに引き離すのはそこだ。タクシーと Uber はどちらも A 地点から B 地点へと人を運ぶことだが、通常は Uber の顧客体験の方が優れている。

かつて、オンラインの顧客体験というものは、ごく素直に作ればよかった。必要なのはシンプルな Web サイトだけだった。今日では、はるかに多くのことが関係している。

ほとんどの組織(企業)にとって、本当のチャレンジは、最新かつ最高の JavaScript フレームワークを使って自社の Web サイトを設計し直すことではない。本当のチャレンジは、さまざまなチャネルすべてにわたって適切な顧客体験を駆動することだ。それは、Web、モバイル、SNS、メール、音声を含むチャネルであり、それらの顧客体験がピタリと的を射たものになるようにすることだ。

これは僕がもう長いこと言い続けている話だが、素晴らしいデジタル体験を提供するうえで基本的な建築ブロックは 2 つある。それは (1) コンテンツ、そして (2) ユーザー データだ。これは、僕が何年もの間、自分のプレゼンやブログで使い続けている図と一致する。その図とは、「ユーザー プロファイル」と「コンテンツ レポジトリー」が記録のシステム(systems of record)2 つを表しているものだ(ただ、ここでは AgilOne 買収に合わせて手を加えてある)。

図:組織が適切なデジタル体験を配信するには、よいユーザー データとよいコンテンツの両方が必要

いい結果を得るには分析データの整形が不可欠

顧客体験を劇的に改善するため、組織は顧客を理解する必要がある。すなわち、顧客が何に興味を持ち、何を購入したか、サポートとのやりとりが前回あったのはいつか、どこから情報を入手するのを好むか、などといったことだ。

しかし、組織のテクノロジー スタック(利用するテクノロジー群)が増大してくるとユーザー データはさまざまなプラットフォーム内にサイロ(孤立)化してくる。

図:Web、メール マーケティング、商取引、CRM を含む、さまざまなプラットフォームの内部にユーザー データが孤立している様子

自社顧客の全方向視野(360º view)がなかったら、組織は顧客に素晴らしい体験を配信することはできない。僕たちはみんな、こんなヘルプ デスクの担当者とやりとりしたことがあるだろう:こちらが最近、何を購入したか知らない。こちらが前に何度も話したことをまた聞いてくる。こちらがすでに SNS 経由である程度、問題解決の方法を理解していることをわかっていない、といったことだ。

そこで、利用しているバックエンド システムすべてを連携し、ひとつにまとめた顧客プロファイルを作る必要が出てくる。AgilOne は、この難問に立ち向かい、多数の世界最大級のブランド企業が自社顧客を理解し、顧客のエンゲージメントを改善するのを助けた。

図:Web、メール マーケティング、商取引、CRM にあるユーザー データが AgilOne によって横断的にまとめられた様子

Acquia の戦略と展望

業界のなかで唯一、オープンなデジタル体験プラットフォームを提供する Acquia の展望において AgilOne が重要な部分を占めることは容易に理解できるだろう。僕たちは、Drupal、Lift、Mautic と共に AgilOne を利用してカスタマー エクスペリエンス スタック(顧客体験を生成するためのテクノロジー群)を定義し直すことができるだろう。すべてがオープンソースとオープン API をベースにしている。また、さまざまなチャネルを横断するかたちで当を得たパーソナルなキャンペーンをマーケターが容易に作成できるよう、ゼロから設計されている。

図:Acquia のソリューションがさまざまなプラットフォームにわたって体験作成、コンテンツ、ユーザー データをひとつにまとめる様子

AgilOne、我がチームへようこそ!みなさんが Acquia の未来に占める部分は大きい。